PRESENTATION OUTLINE
5 家庭用品の消費問題
一般家庭用品については、家庭用品品質表示法があるが、品質保証に関わる日本工業規格(JIS)、安全確保に関わる電気用品安全法(PSE法)および消費生活用製品安全法などと重複しており、表示(図7・2)については、将来統一されることが望まれる。JIS規格は3年ごとに見直されている。 199
◽️危険性のある家庭用品及びおもちゃ類
使用上、危険を伴う家庭用品にはPL法に基づく注意・警告のほかに、製品安全協会の規格に合格したものにつけられるSGマークが表示される。SGマークのついている製品の例を表7・4に示す。また、子供のおもちゃには、日本玩具協会の自主規制によるSTマークがつけられており、STマークのある商品によって人身事故が発生した場合の賠償制度がある。 202
◽️電気製品
電気製品は電気用品安全法に基づいて、ほとんどの製品に安全マーク、形名、定格電圧、定格周波数、定格消費電力の表示がつけられている。
①電源は交流100V、定格15A以上のコンセントを単独で使用すること
②放熱をよくするため、周囲と適切な間隔で設置すること 203
◽️情報メディア製品
世界的に著しく普及した製品として、パソコン、ワープロ、ファクシミリ、携帯電話、スマートフォンなどがある。日常生活に身近な存在である携帯電話やスマートフォンなどの購入に関しては、現状の販売形態ではクーリングオフ制度の適用は難しいので、利用方法や料金の仕組みを十分に納得した上で契約することが必要である。203
◽️プラスチック製品
プラスチック製品は食器類から建築材料に至るまで利用範囲が広い。プラスチックは一般的に次の3つの特性を持っている。
①あまり高い温度には耐えられない。
②日光に長くさらすと変色し、もろくなる。
③酸性の食品や油脂類に対して弱い。
したがって、傷のついたもの、長く使用してざらざらしたもの、及び変色したものは使用しない方が良い。 204
6 契約販売に関わる問題
◽️契約等による取引とクーリングオフ制度
割賦販売や訪問販売、通信販売などの契約、保険類の契約後の申し込みの撤回・解約に関して、しばしば問題が起きている。そのためクーリングオフ制度が設けられた。書面で申し込みをした日付、または契約した日から所定の期間内に通知することで、これらを撤回または解約できることになっている。 206
その他、通信販売では注文していないのに、品物が送られてくる場合がある。この場合の保管期間は14日(引き取りを求めた場合は7日)である。これをネガティブオプション(送り付け商法)という。期限が過ぎれば自由に処分ができるが、相手に対する意思内容を残すために、内容証明郵便を送るのが確実な方法である。図7.4 206
◯割賦販売
これは商品を消費者に代金を2ヶ月以上の期間にわたり3回以上に分割するか、リボルビング方式による返済で販売する方法である。代金の支払いが完了していない場合、また商品が契約時に引き渡されていても、クーリングオフ制度による条件に合っていれば、その商品の取引に要する費用は販売業者の負担になる。 207
◯消費者保護の規定
①販売条件の明示
②書面による契約内容の交付
③契約に関する注意事項の記載
④契約撤回等の告知事項の記載
⑤契約解除等の制限
⑥解除に伴う損害賠償の制限
⑦利子の実質年率などの明示
207
◯契約時の5つの注意事項
①営業許可を受けている業者かどうか確かめる
②セールスマンの宣伝をうのみにしない
③契約内容をよく検討し、疑問があれば納得のいくまで説明を求める
④安易に契約書に判を押したり、申し込み金等を払わない
⑤申し込みの撤回や解約等は、クーリングオフ期間中に必ず書面で業者に通知する
207
◽️訪問販売 207
通常の店舗以外の場所で、販売行為をすることである。しばしば消費者と業者とのあいだで問題が起こるので、1976年に訪問販売などを規制する法律が制定された。訪問販売員は日本訪問販売協会の定める教育を受講し、合格したものでこれを称する身分証を携帯している。ただし、この規制は家庭訪問販売でも、3000円未満のものを即金で購入した場合は除かれるので注意する。
◯キャッチセールス
若い人たちを駅前で引き止めたり、電話で喫茶店などに呼び出し、英会話教材や短期外国留学などの契約に応じさせようとする商法。最初はアンケート調査に応じるように求めるというようなカモフラージュをしている場合があるので、注意が必要である。(動画)
208
◯連鎖販売取引
商品の購入などによって、販売取引組織に加入し、商品を売ったり加入者を獲得したりすると、商品の売り上げの利益や、他の加入者の取引料の一部が得られる仕組みになっている。この方式により連鎖的に組織を広めていく商法であり、これをマルチ商法ともいう。クーリングオフでは、生理用品、防虫剤、化粧品、履物などは、一度でも使用または消費した場合には認められない。 208
◯クレジットカードの利用
現金をその場で支払わないで、後から一括または分割で支払いを行なう信用販売である。この販売方法は、次の3種類に分けられる。
①販売業者による場合
②チケットや、クレジットカード発行者による場合
③ 金融機関による場合(ローン)
209
◽️保険類
保険には各種各様なものがあるが、いずれも契約にあたっては細かい契約内容を熟知する必要がある。生命保険では8日間のクーリングオフ制度が適用されている。また保険金の請求は3年を越すと無効になるので注意する。年金保険には公的なものと私的なものとがあるが、20歳〜65歳未満の国民は老後の生活保障を得るため、公的保険(国民年金)に加入しなければならない。 209
◽️領収書の保存期間
① 1年間…旅館、宿泊料、食堂の飲食代、貨物の運賃など
② 2年間…学校の授業料、塾・習い事などの月謝、商品の代金、クリーニング代、パーマ・散髪代など
③ 3年間…医療費、建築工事費など
④ 5年間…国税、地方税、水道料公共料金など 210
7 消費生活とごみ処理の問題
近年、世界規模の地球温暖化防止策として、二酸化炭素の排出量を抑制しようとする試みは、1997年先進国による国際会議で採択された京都議定書に結実した。十分ではないが、削減目標が定められ、第一歩が踏み出された。私たち消費者は、現在行われているリサイクルを推進すると同時に無駄な消費を省き、実質を重んじた生活を営むよう努めたいものである。 210
問題B(演習)P.207
「悪質商法」によるトラブルにはどんな種類があるかGoogleやAIを使って調べて書きなさい。
また、防ぐための自分なりの手立てを考えなさい。
生活科学の単位認定試験
○日 時 10月30日(木) 2講目
○持ち物 学生証、教科書、
受講シート1〜14
○範 囲 問題Aと教科書から20問
🟡時 程 ①復習タイム 30分間
②試験 30分間
③その他 30分間